5日午後2時42分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震で、倒壊した自宅1階から救助された女性が同日夕、報道陣の取材に応じ、当時を語った。
同県珠洲市内でスナックを営む西村信子さん(77)。同市正院町の自宅1階の寝室で寝ていて、大きな揺れで目が覚めた。ふすまや扉が倒れかかる中、高さ50センチほどのテーブルの下に無我夢中で身を隠した。あたりが真っ暗になり、1階部分が崩れたことに気づいたという。
「どうしよう」。身動きがとれず、テーブルの下でじっと30分ほど待っていると、「信子さん」と近所に住む男性が声をかけていることに気づいた。「助かった」。中にいると伝えると、男性が消防に通報し、約1時間で無事脱出できた。病院に搬送されたが、けがはなかったという。
病院から戻り、「けががなくて良かった」と絞り出すように話すと、近所の人たちも口々に「良かった」と声をかけた。夫の一雄さん(80)は「奇跡やね」とつぶやいた。(藤野隆晃)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル